「幸福な生活」（百田尚樹著）を読んだ感想、書評
百田尚樹さんの作品を「モンスター」「海賊とよばれた男」と読んできて、次は「永遠の0」か「ボックス!」を読もうかと思い書店に向かいました。そこで、百田尚樹さんの短編集「幸福な生活」への宮藤官九郎さんのコメントに目を引かれ、手にしました。宮藤さんが「才能に嫉妬する」と言っているので、購入せずにはいられませんでした。
「モンスター」「海賊とよばれた男」と割と長編の作品を読んだ後なので、1話に5分もかからないこの短編集「幸福な生活」は、さらっと読めました。
どの短編も最後の1ページは、台詞が1行だけ書かれています。どの台詞も、その一言で、見事に落ちて、ドキッとします。心地いいです。軽く読めるので、おすすめです。その中でも「ブズ談義」は、「モンスター」の別パターンのような話なので、途中で落ちも分かるのですが、楽しめました。
「償い」は、この短編集の中の唯一のSFテイストを持った話で、男と女のブラックユーモア的な落ちの話が多い中で、さわやかな読後感を味わえました。個人的は一番好きな作品です。
