のーんびりと読書の感想、書評

読んだ本の感想、書評、気になる本、読んでみたい本の話題。好きな作家、百田 尚樹、貴志 佑介、宮部 みゆき、有川 浩

「蜩ノ記(ひぐらしのき)」(葉室 麟著)を読んだ感想、書評

「蜩ノ記」(ひぐらしのき)を読みました。第146回(平成23年度下半期) 直木賞受賞の作品です。葉室 麟さんの作品を読んだことが無かったのですが、楽しめました。

主人公でのひとりである 戸田 秋谷(とだ しゅうこく)が、とてもかっこいいと思いました。無実の罪で幽閉され、藩主・三浦家の歴史を綴った家譜を編纂しながら、3年後の切腹が決まっている武士。清廉で潔癖な人物として、描写されています。

その人となりは、物語の中での敵役 羽根藩家老 中根 兵右衛門(なかね へいえもん)が告げた言葉がよく現しています。「不思議だな。そなたは目立ったことをなすわけではないのに、関わる者は生き方を変えていくようだ。心がけの良き者はより良い道を、悪しき者はより悪しき道をたどるように思える」というものです。

話自体は、どこかで見たような、聞いたような感じを受けるものです。藤沢 周平さんの作品の世界観に似ているので、既視感があるのかも知れません。

現在の正室の出自の秘密に話の根幹があるのですが、人物相関が結構複雑なので、人物相関図などが挿入されていると理解がしやすかったかも知れません。

 

蜩ノ記 (祥伝社文庫)

蜩ノ記 (祥伝社文庫)

 


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映画『蜩ノ記』公式サイトは、まだ告知のみの状態です。
http://higurashinoki.jp/