のーんびりと読書の感想、書評

読んだ本の感想、書評、気になる本、読んでみたい本の話題。好きな作家、百田 尚樹、貴志 佑介、宮部 みゆき、有川 浩

「プリズム」(百田 尚樹 著)を読んだ感想、書評

「モンスター」がとても面白かったので、同じ「幻冬舎文庫」で出版された「プリズム」を読んでみました。「モンスター」は、美容整形についての詳細な取材を基に構成された作品でしたが、「プリズム」は多重人格(解離性同一性障害)についての取材が基になった話でした。

 

多重人格(解離性同一性障害)に関する内容を、色々な人に語らせて、読者に分かりやすく説明する構成は「モンスター」と同様でした。しかし、「モンスター」が復讐をメインの話題にして、グイグイと読者を引き込んで行くのと対称的に、「恋愛」が主軸となって話が進む「プリズム」は、引きが弱かったです。話の展開は、いつも通り素晴らしく、あっという間に読めるのですが、不倫が物語の軸では、話が軽く感じられるので、そこが残念でした。

 

あらすじ(Bookデータベースより)

「僕は、実際には存在しない男なんです」世田谷に古い洋館を構えるある家に、家庭教師として通うことになった聡子。ある日、聡子の前に、屋敷の離れに住む 謎の青年が現れる。青年はときに攻撃的で荒々しい言葉を吐き、ときに女たらしのように馴れ馴れしくキスを迫り、ときに男らしく紳士的に振る舞った。激しく 変化する青年の態度に困惑しながらも、聡子はいつして彼に惹かれていく。しかし彼の哀しい秘密を知った聡子は、結ばれざる運命に翻弄され―。

 

プリズム (幻冬舎文庫)

プリズム (幻冬舎文庫)