のーんびりと読書の感想、書評

読んだ本の感想、書評、気になる本、読んでみたい本の話題。好きな作家、百田 尚樹、貴志 佑介、宮部 みゆき、有川 浩

「イニシエーション・ラブ」(乾 くるみ 著)を読んだ感想、書評

最近、「イニシエーション・ラブ」がすごい との話をよく聞くので、読んでみました。すごかったです。確かに人に薦めたくなる本です。2004年刊行の本ですが、「しゃべくり007」で、くりぃむしちゅーの有田さんが絶賛したことにより、再度ブームになっているようです。

 

静岡に住む 鈴木 夕樹(静岡大学 4年生 22歳)と、成岡 繭子(歯科衛生士 20歳)が合コンで知りあい、付き合うようになる前半部分(この小説では、side-Aと言っている)から、後半の(side-B)では、鈴木が入社した会社で東京に派遣され、繭子と遠距離恋愛をしながら、同じ課の新入女子社員 石丸 美弥子と付き合うようになり、繭子と別れることになる恋愛小説。

普通に読めば、そういう内容の話です。しかし最後から2行目を読むと、その裏にあった話が明らかになります。「あまりの衝撃・・・云々」のコメントが本の帯にあったので、すごいトリックがあるのだろうと予想していましたが、さらにその上を行きました。そのトリックも、後出しジャンケン的なものは無く、文中にしっかり伏線は張られています。読んでいる間に違和感を感じる箇所はあったのですが、「そういうものだろう」と深く考えていませんでしたが、それが伏線でした。勘の良い方なら、そこで落ちが分かるぐらい、はっきりと書かれていました。

 

最初は、「最後から2行目」を読んでも意味が分かりませんでした。本編の後に『「イニシエーション・ラブ」を理解するための用語辞典』というページがあり、そこでネタばらしに繋がるヒントが沢山書かれています。それを読めば、どういうトリックがあったのかが分かると思います。それでも、よくわかないという方は、下記のリンクを読むとすっきりすると思います。但し、本編を読んでから確認した方が、絶対楽しめると思います。

 

謎解き『イニシエーション・ラブ』 序章 時系列データ: 【ゴンザの園】

 

ウィキペディアでの説明

内容は恋愛小説だが、一部ではミステリーとも言われており、第58回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門候補作となったほか、2005年版の本格ミステリベスト10で第6位にランクインしている。2014年3月3日に放送された日本テレビ系バラエティー『しゃべくり007』ではくりぃむしちゅー有田哲平が「最高傑作のミステリー」とコメントし、放送後の1か月で21万部を増刷。2014年4月現在、文庫版は発行部数100万部を超えている。「読み終わった後は必ずもう一度読み返したくなる」と銘打たれた作品。

 

「乾 くるみ」という名前から女性の作家さんかと思いましたが、乾 くるみ さんは男性で、別名義である 市川 尚吾 で評論活動を行っている方のようです。

 

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

 

 


『イニシエーション・ラブ』/第14回 ビブリオバトル in 有隣堂 - YouTube