「臨床真理」(柚月 裕子 著)を読んだ感想、書評
「最後の証人」が面白かったので、柚月 裕子さんの「臨床真理」を読んでみました。第7回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作です。
言葉の色が見えるという設定が面白かったです。嘘をついていると、赤い色が見えたり、話している人の感情が色で見える藤木 司の能力。そういた能力は「共感覚」と言われ、一瞬見たものをすべて記憶できるという記憶力を持つ「サヴァン症候群」の人たちが持つ能力として知られているもののようです。
物語のベースにあるテーマが、知的障害者への性暴行という、救いようのない暗いテーマなのですが、次々とテンポよく話が展開されていくので、読みやすかったです。但し、この作品には、酷評も多く、第7回『このミステリーがすごい!』の選考でも、大きく評価が分かれたそうです。