「逝年」(石田 衣良 著)を読んだ感想、書評
「娼年」の続編である「逝年」を読みました。前作の最後で、クラブ「ル・クラブ・パッション」のオーナー御堂 静香が逮捕されます。その一年後、リョウ、アズマ、御堂 咲良がクラブを再開するところから物語が始まります。
性同一性障害を持つ新人の娼夫アユム、リョウの大学のゼミの同級生で「ル・クラブ・パッション」のことを警察に密告したメグミ(考えを改め、リョウらの許しを得る)をスタッフに迎え、ビジネスは順調に進みます。出所した御堂 静香を迎えますがが、エイズを発症した彼女の余命はわずかでした。
前作には、リョウが御堂 静香と関係を持とうとする箇所がありますが、御堂 静香が自分がエイズであるためリョウを止めます。ここで話を止めておくべきだったと思います。「逝年」の最後で、リョウと御堂 静香がエイズの感染に注意を払いながら関係を持ちます。このトピックスは蛇足だったような気がします。御堂 静香は手の届かない存在であった方が余韻が残ったと思います。
「娼年」「逝年」には、インパクトのあるキャッチーな台詞がいくつもあります。リョウや御堂 静香のそんな台詞をTwitterのbotにされている方がいました。確かに、繰り返し読みたい台詞がいくつかあります。
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