「検事の本懐」(柚月 裕子 著)を読んだ感想、書評
「最後の証人」がとても面白く、「臨床真理」は今一でしたが、佐方貞人シリーズということで、柚月 裕子さんの「検事の本懐」を期待して読んでみました。その期待を外しませんでした。5編の短編集ですが、どの話も面白かったです。おすすめです。
佐方貞人が検事時代の話です。あらゆる事件に一切の先入観を持たず、「まっとうに裁かれるべき」との信念を貫き、見えにくい真実を暴いていく姿がかっこいいです。イメージとしては、フジテレビのドラマ「ヒーロー」の久利生 公平を思い浮かべました。
ウィキペディアでの解説
佐方貞人シリーズの第2作目であり、第1作の『最後の証人』では弁護士として活躍した佐方貞人がまだ検事だった頃の話が集められている。『最後の証人』を出版後、読者から「続編が読みたい」「もっと佐方が読みたい」という声が相次ぎ、著者自身も佐方という人物を描ききれなかったという思いがあったため、編集者と相談し、続編の制作が決定した。当初、「次は佐方を軸にした作品を書こう」という話だったが、出来上がってみれば佐方の視点からの物語ではなく、周りの人間から見た佐方貞人、という作品になったとインタビューでは話している。また、前作の『最後の証人』に続き今作に関しても柚木が尊敬する横山秀夫が書評を公開している。