「クライマーズ・ハイ」(横山 秀夫 著)を読んだ感想、書評
横山 秀夫 さんの「クライマーズ・ハイ」を読みました。横山 秀夫 さんが、上毛新聞(群馬県の地方新聞)の記者時代に遭遇した日本航空123便墜落事故を題材した小説です。未曾有の航空大事故が起きた後の新聞社の一週間が描かれています。
リアルな新聞社の姿が描かれているのだろうなと思いました。これほどの大事故を前にしても、社内の派閥抗争、スクープへの嫉妬、妨害、制作部と営業部の確執などの要素により、全権デスクを任せられた主人公の思いとは違った紙面が作られていきます。第三者的な眼で見れば、「なぜ、みんなが一丸となって、新聞をつくらないのか」と感じますが、どの組織でも、理想と現実は、違うと言うことだと思います。
映画版の「クライマーズ・ハイ」の感想に、「なんか、皆んなが怒鳴り合ってばかり・・・」みたいなコメントがありました。小説を読んでいても、それは感じていたので、映像化すると、怒鳴り合う場面ばかりになってしまうのは仕方ないかも知れません。