「新世界より」(貴志祐介著)を読んだ感想、書評
Amazonでの書評の良さに惹かれて、Kindleで読みました。
惹かれたキーワードとしては、「第29回日本SF大賞受賞」「一度読みだしたらもう止まりません」「本当にページをめくる手が止まらないのです」「結局徹夜して、一気に最後まで読んでしまいました」といったところです。
しかし、同時に「1000年後?超能力?何か違うような・・・」と読む前の印象を書かれている方もいて、同じような感じを持っていたことも確かでした。貴志祐介さんの他の作品は読んだことがなかったので、他の作品と比べてどうこうという訳ではなく、そういった設定の話で、どれだけ面白い内容になっているのかが、疑問も持っていました。
書評に、「序盤では、様々な方位から紡がれる緻密な世界設計が、このジャンルに慣れない読者を阻むことでしょう。わたし個人の例では、154ページ目を読むまで、特に長く感じたように思います。が、更に読み進めれば、後はほとんど一息に読み終えてしまうような、怒涛の展開に圧倒されました。」と書いている方がいました。その言葉を信じて読み進めました。確かに導入は少し辛かったですが、ミノシロモドキと出会った以降は、怒濤の展開に、一気に引き込まれました。
面白くて、早く先を読みたい気持ちを抑えながら、時間を掛けて、ゆっくりと読みました。そうすると、読んでない時間に、読みたい気持ちが増幅してくるので、気持ちの良い数日間を過ごせました。
読後、コミック版、アニメ版の存在を知り、内容を確認してみましたが、コミック版は性の描写に重きを置きすぎているような感じがしましたし、アニメ版も、ネットにアップされていた動画を観たのですが、チープな感じを受けてしまいました。これだけのコンテンツなので、映像化するのであれば、「ロード・オブ・ザ・リング」級の映像表現で観てみたいと思いました。